各企業は毎年3月ごろになると、いつも以上に忙しい時期に入ります。
すべての企業は決算といって、1年のうちの会計をまとめ上げなければいけないからです。
この決算は、なぜやらなくてはいけないのでしょうか。
また、決算はなぜ3月に行われるのでしょうか。
今回は、こうした初歩的な疑問について取り上げていきます。
すべての企業は、日本で会社を経営するにあたって、会社法という法律を守らなければいけません。
そして、このうち株式会社は、毎年度末に決算公告をするよう法律で義務付けられているのです。
仮に決算公告をやらなかったり、虚偽の決算公告をやってしまったりした場合は、法律によって罰せられてしまいます。
罰金は100万円以下とそれほど大きい額ではありませんが、会社のイメージにも関わることのため、決算はきっちりとやらなくてはいけません。
先ほどは、株式会社が決算をやるべき理由について話してきました。
しかしながら、株式市場に上場していない会社も決算を行うことが多いです。
なぜかといえば、決算をすることによって会社の財政状況が可視化され、問題点が明らかになります。
決算においては、会社のあらゆる経営状況を洗いざらいにしなくてはいけません。
収支のバランスはどれくらいなのか、納めるべき税金はどのくらいなのかなどといったことをまとめなければいけないのです。
こうすることによって、今後どういった戦略を採るべきかといった目標が立てやすくなります。
まず基本的に、多くの会社は人事評価や異動などを3月に行います。
同時に4月は新入社員がやってくる直前でもあるため、人材が新しくなる前に1年のまとめをやっておくという意味で、3月に決算を行うところが多いのです。
そのほか、日本では会計年度を4月から翌年3月までの間と決めているのも、要因として挙げられるでしょう。
一方で、年度末に仕事が集中することによって、生産性が下がりやすいというリスクも否めません。
そもそも3月に決算を行うのは慣例であって、この月に行うべきという義務もないです。
こうしたことを踏まえて、最近は決算を1月に早める企業も増えてきました。
決算は、会社の1年間の総括を行う意味でも、欠かせない行事といえるでしょう。
一方で、毎年恒例のことにしかすぎないからといって、ダラダラと決算を行うようではいけません。
しっかりと目的意識を持ちながら決算をすることで、今後の会社経営に活かすべきことが見えてきます。