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2022.12.26

新入社員が入社した時に提出してもらうべき書類

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新入社員が入社すると、給与計算などを担っている総務部や経理部では提出してもらうべき書類が複数生じます。
最初の給与支払いまでに必要となる書類が多いため、速やかに回収できるように努めましょう。

入社時に必要となる書類

「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書は」、すべての従業員に提出してもらうべき書類です。
扶養親族がいないと、ほとんど記入する項目はありませんが、氏名や住所などを記入して、扶養親族がいる場合は氏名や続柄などを書いて、必ず提出してもらいます。
扶養申告の内容が、毎月暫定的に控除する所得税額に影響を及ぼします。
そのため、入社後最初の給与計算を行うまでに回収することが必要です。
厚生年金の加入手続きのために、「年金手帳」も必要です。
これは「基礎年金番号」を把握することが目的です。
但し、「基礎年金番号」と「マイナンバー」の紐付けが完了している場合は、マイナンバーの記載のみで届出が完了します。
中途入社の方の場合、通常紐付けは完了しているものとして捉えても良いでしょう。
マイナンバーは、社会保険の届出でも、年末調整時の届出においても、両方必要になるものですから、必ずマイナンバーを回収しましょう。
扶養家族がいる場合は、「健康保険被扶養者(異動)届・国民年金第3号被保険者関係届」も提出してもらいましょう。
その場合、被扶養者分のマイナンバーの提出も求めなくてはなりません。
給与の振込口座を指定してもらう、「給与振込届出書」も漏れなく回収しましょう。
早めに手続きしないと、最初の給与の振り込みまでに間に合いません。

中途入社の場合

中途入社の場合には、上記の書類に加えて、前職での「給与所得の源泉徴収票」の回収も必要です。
また、「雇用保険被保険証」も提出してもらいましょう。

まとめ

新入社員が入社したら、給与計算や源泉徴収、社会保険の加入のために必要となる書類を漏れなく回収しましょう。

雲野会計からの掘り下げポイント

何だか回収物が多いが、結局最低限優先的に何を回収すれば良いのか

前段では回収すべきものを書き並べましたが、全てのものを回収するのは中々大変です。
ここからは税理士事務所と社会保険労務士事務所の両方の視点で、本当に届出に必要な最低限回収すべきものをまとめます。

優先して回収するものはこれ!最優先は「扶養控除等申告書」

優先して回収すべきものはこの2つです。

  • 扶養控除等申告書(マイナンバー必須)
  • 通帳の口座情報

とにかくこの2つが揃えば、入社時に事務処理で最低限必要なものは概ね揃うと考えて良いです。
まず、所得税関係と社会保険関係ですが、新入社員御本人の情報は履歴書等で確認済みだと思います。届出において、把握が必要なのは「マイナンバー」と「配偶者の情報」と「扶養関係の情報」です。
ご家族の名前や生年月日、収入、マイナンバー情報が、届出時には必要な情報となります。
実はこれらの情報は「扶養控除等申告書」を、過不足無く正しく書いてもらうだけで概ね網羅出来ます。
特に入社時はバタバタしていることが多いため、「扶養控除等申告書」は最優先で回収するようにしましょう。
但し、「正しく」書いてもらうことが大前提となっていますので、記入内容について漏れが無いか、口頭での確認はすべきでしょう。
通帳の口座情報は、給与の振込先として物理的に必要ということになります。

扶養控除等申告書しか回収出来ない場合は、その都度対応する

前段のように、「扶養控除等申告書」しか揃えられなかった場合はどうなるでしょうか。
例えば、中途入社の方で「雇用保険被保険者証」が手元に無く、提出が見込めないことは良くあるケースです。
そもそも、「雇用保険被保険者証」の回収がなぜ必要かというと、「雇用保険被保険者番号」といって、被保険者(この場合は中途入社の新入社員)が雇用保険に一番最初に加入した際に振られる被保険者固有の番号を把握することにあります。
被保険者であった期間や、その期間の賃金の支払額が、「被保険者番号」において記録として残っているからです。
しかし、番号がわからなくとも、前職の会社名を把握していれば、対応が可能です。
生年月日と住所と名前と前職の職歴がわかっていれば、管轄のハローワークで照合を掛けてくれるような仕組みになっています。
また、「年金手帳」が回収出来ないケースも良くありますが、年金番号は把握できなくても、前段で解説したとおりマイナンバーを把握してれば対応が可能です。
このように全てを集められなくとも、都度情報を集めることが出来れば、概ね対応が可能になっていることは知っておくとよいでしょう。

中途退職者の源泉徴収票はすぐは出ない。また、年末調整時にあればOK

中途退職者の源泉徴収票は年末調整時に使用するものです。
前職の給与所得と合算して年末調整をすることになるため、必要になります。
ということは、年末調整時に準備できていれば良いため、急ぐ必要はありません。
また、中途退職者の源泉徴収票は、前勤務先の最終給与が払い出しされてから、もらえるものです。
例えば、前勤務先が「月末締め翌月末払い」の会社(稀だと思いますが)で、当月5日で辞めて、その月の10日から新しい勤務先ですぐ勤務開始になる場合、前勤務先の最終給与の払い出しは、だいぶ後ということになります。
その払い出しが完了してから、源泉徴収票を発行するということになるため、前勤務先の会社が事務処理が遅い会社の場合、源泉徴収票が手元に届くのは、新しい勤務先で勤務がスタートしてから3か月後ということが有り得ます。
すぐ手元に届かないケースがあることも合わせて留意しておくべきでしょう。

事業者の新入社員に対する把握義務はどこまで?

事業者側としてはここが気になるところです。
これは、「税」も「社会保険」も全て「自己申告」の世界であるということが大前提になります。
例えば「扶養控除等申告書」に扶養者の記載が漏れていたとしても、事業者側としては申告されないものを把握することは不可能です。
漏れが無いように適切に案内することは必要ですし、申告があったものについては把握・適切に届出する義務はあると考えられますが、事業者側に出来ることはそこまでと捉えて良いでしょう。

雲野会計では

雲野会計は税理士事務所であり、社会保険労務士事務所です。
両方の視点から、新入社員の入社時の対応について、適切にご指導させて頂いております。

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